短編小説レビュー①(今田の授業)
「雨のなかの猫」(ヘミングウェイ)レビュー タオ(中2)
今回は、ヘミングウェイの「雨の中の猫」を読んだので、その感想について述べたいと思う。
まずはあらすじを紹介しようと思う。
「雨のなかの猫」という作品は、ホテルに泊まっているアメリカ人の妻が、窓の下にいる猫を発見する話だ。その子猫をどうにか探そうとするが、結局猫が見つからないまま話は終わる。
このようにストーリーは特にないのだが、この「猫」の話は、実は深い内容のある話なのではないかと思った。なぜそう感じたのかというと、子猫は実際にはいないのではないかと推測したからだ。僕はこの子猫はアメリカ人の妻の錯覚なのではないかと思った。
というのも、アメリカ人の女の夫は、妻に無関心で面倒だと思っているように感じられるのだが、そのことを妻は不満に思っている様子なのだ。そのせいで二人の関係はギスギスになってしまっている。
僕の考えでは、その不満の象徴的存在が子猫なのではないかと思う。そう考えると、この話は深い話なのではないかと思える。
今回の作品は、一見ストーリーがないように感じたが、実は意味が深いのではないかと思った。短い文章で、上手にまとめている、上質な作品だと思う。
「敗れざる者」(ヘミングウェイ)レビュー タオ(中2)
この作品は、もう、闘牛士を引退してもいい年齢の主人公が、興行主や観客などにばかにされているのにもかかわらず、闘牛に挑む話だ。主人公は自分はまだまだやれるはずだと闘いを挑むが、結局最後は失敗して、大怪我をしてしまう。
読み終わって最初に思ったことは、残酷で牛がかわいそうだということだった。
しかし、それは僕が闘牛をよくわからなかったこともあるのかもしれない。
ほとんど一つの場面から構成されているので、血湧き肉踊るような面白さはないが、それはそれでいいと思う。全体的な雰囲気も、悪くはないと思った。
でも、文章が淡々としているので、迫力がないように自分には感じられた。また、先ほどを書いたように、自分は闘牛をよく理解していなかったので、いまいち魅力を感じられなかった。
読んでいて疑問に感じたことは、どうして主人公はもう引退してもいい歳で、身体ももう限界だというのに無理して闘牛を続けるのかということだ。
僕の推測では、主人公はおそらく、今まで自分がやってきた闘牛に誇りを持っていて、その誇りを守るために最後まで自分の闘いをやり抜こうと思っていたのではないだろうか。僕自身には闘牛をやり続けるその気持ちは分からないが、何かを諦めずにやらなければならないことがあるだろうということは、わかる。
今自分は、この短編小説を読んで、あまり面白いとは感じなかった。けれども雰囲気はいいし、もっと大人になってから読み直してみたら印象がかわるかもしれないとも思った。