V-net教育相談事務所

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物語作文「ぼくの母さん」(作文道場)

「ぼくの母さん」伝出家りん(小6)

 ある日・・・僕は知ってしまった。僕が両親だと思っていた人は、両親じゃなかった。
 僕がそれに気づいたのは、手紙が来たからだった。こんな手紙だ。
「圭へ。突然こんな手紙を出してごめんね。おどろくことだろうと思います。・・・今まで隠していてごめんなさい。
あなたの母親は、私です。」
 えっ、と思わず声がもれた。・・・嘘だろ?僕の両親は本当の両親じゃないってことか?どういうことだ・・・。
「これ、どういうことなんだ?」
 居間でのんびりとくつろいでいた両親に聞きに行く。
「・・・とうとう話す時が来たわね。」
「そうだな。」
 両親はそう言って話し始めた。
「あなたの本当のお母さんは、恵・・・私の友達よ・・・なの。あなたが生まれてすぐに、恵のだんなさんは交通事故で亡くなったの。
経済的にも、精神的にも苦しくなった恵は、私達にあなたをあずけたのよ。」
 ・・・てことはやっぱり僕は石田家の血をうけついだ息子じゃないのか・・・。今までずっとそのことをかくしていた両親にも、僕を育ててくれなかった恵さんにも腹が立った。だけど、僕の心を占めていたのは、恵さんに会ってみたい、という思いだった。
「母さん、父さん、僕恵さんに会ってきてもいいかな?」
僕の言葉を聞いた両親はちょっとおどろいた顔をしたが、すぐに笑顔になった。父さんが言った。
「よし。圭、行って来い。」


 土曜日。僕は手紙の住所を頼りに恵さんの家へ向かった。ついたのは、一軒のアパートだった。そのアパートの二階に恵さんは住んでいた。呼び鈴を押すと、すぐに恵さんはでてきた。
「あら・・・どちら様ですか?」
「はじめまして。石田圭です。」
 僕が名前を言うと、恵さんはおどろいた顔をした。次の瞬間、恵さんの目から涙がこぼれた。
 ・・・それから。恵さんは何度も僕に誤った。涙を流しながら・・・。
「もういいです。」
 僕は言った。離れても、ずっと僕のことを想っていてくれた。それで十分だ。
 ・・・と、いうわけで、僕には母親が二人いる。僕を育ててくれた母さん。離れてもずっと僕を想ってくれていた恵さん。
 二人とも、ありがとう。


――次の日。また僕あてに手紙が来た。
「圭くんへ。はじめまして。とつぜんこんな手紙を出してごめんね。おどろくと思います。私は圭くんの妹です。」
・・・誰の子?