V-netブログ

リベラルアーツ(by Joker)

2012年2月12日

投稿者:matsunaga

11日のV-netリベラルアーツは、祭日のためか参加者が少なかったので、「特集」を行った。

最初に日本の文壇の最近の動向を軽く解説して、その一つの経済的な集約点の象徴として、「文藝春秋」3月号の芥川賞発表から「選評」を読んだ。選者は、黒井千次、川上弘美、高樹のぶ子、山田詠美、小川洋子、島田雅彦、宮本輝、石原慎太郎の各氏である。読者もご存知の通り、最年長の黒井、石原両氏は今回にて選考委員を退任した。

さて選評を読むと、男性委員のほとんどが島田雅彦氏を除いて、円城塔氏の『道化師の蝶』が「読めなかった」らしいことが分る。対して女性委員の方は、おおよそ全員が「読めた」と読める。受賞作の決定は文春の営業的影響が強いことも解説し、この選考委員を務めることが、いかに作家的地位や経済性において重要であるかを述べ、ここには玄人が目を皿のようにして読む文章が書かれていることを強調した。またメタフィクションについても解説した。

生徒たちは女性文体にはやや戸惑ったが、彼女たちがなかなか冴えた鋭い言葉遣いをすることも感じたようだ。最後の石原氏の文章末尾の「老兵は消えていくのみ。さらば芥川賞。」には全員で笑った。田中氏の会見も、これすらも、各々の読者に向けて「サービス」でやっていることを強調した。選評読後、生徒たちが『道化師の蝶』を読みたいというので、(Ⅰ)を音読輪読した。驚いた。最近小学部のV-net作文道場の文章力にも驚かされるが、リベラルアーツの生徒たちは難なくこれを読みこなししかも楽しんでしまう。そのあと、田中慎弥氏の「共喰い」冒頭部分を読んだが、私はなかなか新人にしては文章が上手いと思ったが、比喩や描写があまりオモロくないと言う印象だった。ともあれ、家へ帰ったら親に文春を買うことをおねだりするように勧めた。この後、いつも通り『ロシュフコー箴言集』を読んで、感想を言い合った。次回は18日。リベラルアーツは今後通読主要テキストを持ちながら、参加者に応じて、ハイライト的にすでに学んだ『論語』、『聖書』などを特集的に読む予定。随時新規参加者を募る。

作文道場2(2012年1月)

2012年2月9日

投稿者:vnetカテゴリー:

毎田です。

1月の作文道場の課題作文を報告します。参加者は3人の先生。

課題「下のキーワードを使って、新しく物語を書いてください。ただし、キーワードをすべて1度は使用すること。」
キーワード「浦島太郎 桃太郎 白雪姫 シンデレラ ドーナッツ」

 

ハム太郎先生

昔、昔あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんが薪拾いに行っているときに、おばあさんは川で洗濯をしていました。そのときふつうの桃の10倍の大きさの桃が流れてきました。それを軽々と持ったおばあさんは、家に帰りました。そして、おじいさんが帰ってきて、桃を割ると、4人の子供が出てきました。男2人、女2人です。女はおばあさんが名前をつけ、男はおじいさんが名前をつけることになりました。おばあさんは〇ズ〇ィーが好きなので、シンデレラと白雪姫とつけました。おじいさんは、なんとなく浦島太郎とバーミヤンにしようと思いましたが、バーミヤンはやばいので、桃太郎にしました。それから6年経って、みんなで海に行ったとき、カメがいじめられていました。いじめていたのは、桃太郎たち4人です。チーム名は「バーミヤンズ」。みんなでカメで遊んでいました。カメの名前は、見仁子といって、みんなにフルボッコにされていました。カメが、「いじめをやめてくれたら、竜宮城に連れてってあげる。」と言って4人を乗せて出発しました。ちょっとするとカメが、4人は重すぎたのか、息絶えてしまいました。4人は、自力で竜宮城にたどり着くと、ドーナッツをもらいました。4人は、それが大好物になり、竜宮城を制圧して、幸せに暮らしたそうです。

 

 

市仁三太先生

むかしむかしあるところに、後に桃太郎のお母さんになる女と、後に桃太郎のお父さんになる不倫男がいました。男は仕事をしに新橋へ、女は買い物をしにイオンにいきました。仕事を終えた男は、上司のおごりで飲みに行くと女にウソを言い、不倫相手と食事に行きました。男がウソをついていることを知らず、女は男のためにイオンで買った桃を切っていました。するとどうでしょう。陣痛がはじまりました。30時間経ち、子供が生まれました。名前は桃太郎。

――それから23年――

男が23年前不倫していたことを証明するために、桃太郎は冒険することにしました。女(23年経ったため以下おばさん)は桃太郎にドーナッツをわたし、冒険はスタートしました。池袋で浦島太郎、白雪姫、シンデレラをお金でなんとか仲間にし、新宿でドーナッツを買って、オッサン未田を仲間にし、渋谷でハチ公を仲間にし、新橋の男が働いている会社に乗り込みました。しかし、不法侵入罪として警察にとりおさえられました。ああ、どれほどおばさんは悲しんだだろうか…。

 

 

見仁子先生

浦島太郎のへんな話を一つか三つか五つかしましょう。むかしむかしあるところにオッサン未田(48)がいました。するとそこに桃太郎と白雪姫とドーナッツがシンデレラ(本名シンドルワ)をいじめていました。未田は弱くてしかもマネーもないのでスルーしようと思いましたが、イマモン(イマイマシイイマダノオッサンポイモンスター)が落ちていたので、桃太郎と白雪姫とドーナッツをボコボコのギッタンギッタンのグッチョングッチョンのマッパラパッパッパーにしました。そしたらシンドルワが「お礼にりゅーぐーじょーに連れて行くから背中に乗るがよいわーっはっはっはー」とえらい命令口調だったので、オッサン未田はキレそうになりました。けど大人げないのでやめました。そしてりゅーぐーじょーまであと1kmというところで、窒息して死にました。享年48歳でした。

 

作文道場(2012年1月)

2012年2月9日

投稿者:vnetカテゴリー:

みなさんこんにちは。道場担当毎田大介です。

土曜日午後の作文道場では、毎週あるお題をもとに参加者、もとい先生方に一定の文章を書いてもらうという講座です。

しかし、先生方には謝らなければなりません。受験シーズンで忙しかったとはいえ、さっさとアップしてくれよと催促されていたにも関わらず、まったく先生方の作文をアップロードしていませんでした。先生方申し訳ない。

ということでたまりにたまった先生方の課題作文をみなさんに一気にお披露目したいと思います。

 

1月の課題作文1 参加者は5人の先生方。見仁子先生は30分で2枚書きました。

「『うめめ』(梅佳代写真集)の写真3枚を使って、自由に物語や旅行日記などを書いてください。その際、いつどこで撮られたものなのかを明確にしてください。」
※写真集の著作権のため写真をアップしません。興味のある方は写真集からどの写真なのかご自分で探してみてください。

 

 

市仁三太先生

写真1,2、3は男とガムとの関係の深さを表している。写真1は上司のおごりで居酒屋へ行き、たくさんのんだため、足元がふらつきとうとうカベにあったってしまった図だ。ちょうどそこにガムがついてあり、手がカベからとれなくなっている。そんなところを写した写真である。写真2は子供が「ガムをふんじゃったかもー」といったため、「みせてみろ」というと突然子供がひっくりかえり、くつの裏を見せているところを写した写真である。ちなみに、子供のふんだものはガムはガムでも黄色のパイン味のガムだ。写真3は車がガムをふんでしまい車が動かなくなって、交通事故が起こったため警察がきて、真相をさぐるべく、男を車からひっぱりだしているところを写した写真である。なぜ男が抵抗しているかというと、警察がガム臭かったからである。なぜそんなに男がいるところにガムがあるかというと写真にうつっている指の持ち主がガムが好きで、よくガムをぺっぺぺっぺはいているからである。写真3のあと指の持ち主はろうやに入れられたことだろう。

 

ハム太郎先生

この3枚の写真は、山本という40代後半のおっさんの物語である。ある日表参道の駅で一人落ち込んでいるおっさんがいた。その名は、山本こうすけ47歳だ。なぜこいつが落ちこんでいるかというと、一つは仕事をクビにされたこと。2つ目は、妻がおこっていて家に帰れないからだ。妻はなぜおこっているかというと、いつも山本がいつも残業をしていて遅いからだ。山本は会社で一番だめだめなので、水曜のノー残業デーm残業がある。しかもクビにされた。妻はもっとおこるだろうと思った。その帰りにちょっとカフェで一息して、帰った。帰っている時もまだ落ち込んでいたので下を向いて帰っていた。その途中に子供と当たってしまった。子どもは、あまりの反動にめちゃくちゃふっとんだ。山本の脂肪でなおさら反動があった。そしてまわりを見ると、こちらを見て電話をしている近所のおばさんがめにうつった。山本は、「やばい。110番通報している。」と思ったのだ。おばあさんは、友達と電話していただけだった。とっさに逃げようとした。黒い車を見て、「よし。これで逃げよう。」車をぬすんだ。そこに警察がきた。その警察は、黒い車の持ち主の知り合いなので、山本が盗んだのがすぐわかった。そして5㎞先の道路でつかまった。妻にもおこられ、裁判になった。判決は懲役1年。けっこうきびしかった。という不幸な山本こうすけ、47歳の話でしたこの事件は、2005年の2月19日に起きたノンフィクションの話である。

 

 

見仁子先生1枚目

この3枚の写真は、オッサン未田のお話である。オッサン未田は、ごくふつうのオッサンだった。しかし、証拠写真2で「どけやー」と言った。この証拠写真は、2005年の1月10日にとられた。そのことでオッサンはクビになりさまよっていた。そのことがよほどこたえたのか駅で立ちくらみがおき、はきそうになったのである。駅ではいたことと小学生に暴行したとして2005年9月28日に逮捕された。今はV-netの先生としてこのことを忘れて楽に楽しくをモットーに働いているのである。行があまったのでもう一つ。未田のオッサンはすぐに浮気をした。そのことが奥さんにバレてバリカンで体の毛をすべてかりとられた。どんまいと言いたいが言わないよーん。奥さんにフラれたオッサンはやはりV-netの先生として、働いている。もう一ついこうかなー。いきましょう。その後未田のオッサンは浮気相手にもフラれ独身なのであった。めでたしめでたし。

 

――この物語はフィクション1%、5%本当、わかんない94%である。――

 

 見仁子先生2枚目

昔、昔あるところにバカ太郎というバカがいた。バカ太郎は写真2のようにして大人になった。しかし勉強をしていないバカ太郎は社会で活躍できず、会社に入ってはリストラされ、を繰り返していやになった。しかし、あきらめずにモンスター未田を素手で倒し、会社の姫、ハム太郎をたおし、レベルが上がってきた。が、姫を倒してしまったので入る会社がなくなった。実は姫のおかげでお金や家、入る会社がいっぱいあったのだ。もう死ぬしかないと悟った。そして九州に住んでいたバカ太郎は北海道のとある駅で自殺しようとしたその時!一匹のウサちゃんがいたのでつかまえてみた。そして飼ってみた。そしてウサちゃんが死んでしまったので、自殺しようとした。が、今度はワンちゃんを飼ってしまった。そして3年後今度こそと思い自殺した。85歳であった。このことが新聞にのった。見出しは「ウサギと犬と私」だ。特に意味はなかったそうだ。めでたくないめでたくない。

 

 

バカ太郎先生

写真1は夜勤明けのサラリーマンが丸の内線のホームで吐いている様子である。いや、正確には吐いているのではない。そう見えるだけである。このサラリーマン、実は写真を見ているのだ。その写真というのは写真3である。普通なら子どもの写真などをながめるのだろうが、このサラリーマンは過去に自分が銀行強盗と間違えられて警察につかまった時の写真を見ているのだ。なぜだと聞いてみたくみなるが他人の頭の中とはわからないものだ。このサラリーマン、家に帰ると写真2のように路上で転がっている子供にも目もくれずにただぼっと何か考えているような、いないような状態になってしまったという。何を聞いても答えない。そしていきなり粘土をいじり始め、作り出すのだ。こんな状態になってしまう何時間が前の自分の姿を。実はこのサラリーマン病気なのだ。その病名は『サラリーマン中毒』。この病気はストレスによっておこる病気でこのサラリーマンは写真1のような模型を作ったが絵で表す人もあるという。そしてこの病気、最終的には寝たきりの状態になってしまうのだ。そんな病気あるわけがないと思っているあなた。この病気はウイルス感染しますので気を付けてくださいね。かかりたくなければサラリーマンをやめることをおすすめします。

 

リベラルアーツ『箴言集』(1月28日)の手引き 小さなこと,大きなこと(by Paul)

2012年2月4日

投稿者:vnetカテゴリー:

 今回は,『箴言集』のフレーズを講読し,多角的に考察する。本稿作成の際,『ラ・ロシュフコー箴言集』(ラ・ロシュフコー著 二宮フサ訳 岩波文庫)を参考にした。

 

 「タイムマシンに乗って過去に旅行し,古人に会えるとしたら,誰に会いたいか?」と問われた場合,その一人は間違いなくラ・ロシュフコーである。

 『箴言集』の刺激的なフレーズについて,多角的かつ徹底的に議論し,ここぞという時には遠慮なく論破してやろうと密かに考えている(笑)。

 さて,同書に限ったことではないが,筆者が古典を読む際に心掛けていることとは,古典そのものをじっくりと味わうことだけでなく,その利用方法を考えることである。

 受験生対出題者という基本構造を常に念頭に置きながら,人間を洞察する古典のなかから,特に受験突破に役立つフレーズを一つでも多く集めようとしてしまうのは,慢性化した職業病と言えるだろう(笑)。

 そこで,まずは,受験当日,最低点法の威力を発揮するために極めて有用と思われる以下の41番を講読してみよう。

 

41  Ceux qui s’appliquent trop aux petites choses deviennent ordinairement incapables des grandes.

 

41 小さなことに熱中し過ぎる人は概して大きなことができなくなるものだ。

 

 最低点法を用いて合計点数勝負で受験をする場合,答案を作成した一つ一つの問題の正誤を慎重に確認するという「ミクロの視点から見ること」だけでなく,その問題による得点が合格最低点にどの程度の影響を及ぼすのかを検証するという「マクロの視点から見ること」も不可欠である。

 この文脈で考えると,41番の系として,捨てるべき問題を捨てると判断するための所要時間が短い受験生ほど,得点力が高く,合格最低点を奪取しやすいということが直ちに導けるであろう。

 ところで,筆者の教え子で志望校合格を手にした者を見る限り,程度の差はあるものの,彼らは皆,小さなことと大きなことのバランスを取ることに長けている。

 そのバランスを取るための訓練を,受験勉強の仕上げとして行うことを強く勧める。

 要は,過去問題実践演習を行い,自らの感性を信じながら「これは取ろう」,「これは捨てよう」,「あと,○点必要かな?」といった感覚を肌で感じるだけのことだ。

 健闘を祈る!

 

 演習1 俯瞰力を磨くための方法を,必要な古典を参照しながら,具体的にまとめよ。

音読の一つの効能

2012年1月31日

投稿者:vnetカテゴリー:

どうも、こんにちは。V-netで国語を担当している未田です。HPが新しくなったということで、今後はここに、授業を行うなかで感じる雑感などを記していきたいと思います。

さて先日、もうすぐ高校受験本番を迎えるO君の授業を行いました。O君とは、もうかれこれ四年の付き合いで、彼が小学生のころから国語や社会をみています。

現在はもっぱら志望校の過去問対策を行っているわけですが、その過程で興味深いことに気づきました。それは彼が、現代文の読解力から推定される以上に、古典の読解に関する能力が高いということです。そして、もう一つ。彼は古典文の音読が非常にうまい、ということです。

知ってのとおり、V-netでは基礎的な国語能力向上のため、生徒には先ず音読指導を最初に行います。これは古代からの日本語のリズムを体感・記憶するために行うのですが、そのために生徒は多くの古典文を繰り返し音読することになります。O君もこの音読の特訓を受けておりました。とはいえ、それは彼が小学生の頃の話。また、繰り返せば音読指導の目的も、古典文の習熟を図るというよりも、現代文に通ずるリズムをマスターするためのものです。とはいえ、三つ子の魂、百まで。現在の彼の古典読解の能力が、小学生時代の古典音読によって養われたことは疑いありません。そういえば、音読指導をきっちりと受けた生徒たちは皆、古典文の読解能力が比較的高い。また彼らは、源氏物語や平家物語、徒然草といった古典を年代順に、暗記してしまうほど読み込んでいるのですから、高校入試レベルの文学史であれば、とっくの昔におぼえてしまっているのです。

当たり前といえば、当たり前の話です。とはいえ、O君にとってはやや遅れて発現したこの効能を知って、私自身が音読の価値を再認識させられた次第です。

未田武史